【ストレスチェック】実施者がいない…委託する際の3つのポイントとは?

ストレスチェックを実施するにあたって、実施者がいない…どうしよう…なんてケースはありませんか?

産業医にストレスチェック実施者になってもらおうとしたら、「やりたくない、できない」と断られてしまった…。

そうなると困ってしまいますよね。

そこで今回は、実施者がいないなどのケースで、ストレスチェックの実施を外部に委託する際の3つのポイントについてお話をしていきたいと思います。

>>ストレスチェックまとめ!準備から高ストレス者対応まで【産業保健師が解説】

ストレスチェック実施者がいないケース

ストレスチェック実施者がいないケースは次の2つのケースが考えられます。

1)事業場の産業医に実施者になりたくないと言われた

50人以上の事業場にストレスチェックの実施が義務付けられていますが、50人以上の事業場であれば、産業医は非常勤であってもいるはずです。

ところが、産業医ではあっても、メンタルヘルス関係に精通していないとか、ストレスチェックの面接指導を行い、適切に医療機関や相談機関等につなげるだけの経験がないなどの理由から、ストレスチェック実施者を断ってくるケースがあります。

気をつけておきたいのが、とりあえずストレスチェックを実施したものの、高ストレス者の面接指導の段階になってから、産業医が面接指導は実施できないと言ってきた場合です。

高ストレス者が面接指導を申し出てから遅滞なく(すなわち概ね1か月以内)に医師による面接指導を行う必要があります。

そのため、その段階で面接指導をする医師が見つからないということがないように、職場の産業医が、

・ストレスチェックの実施者になれるのか

・面接指導まで実施ができるのか

について確認を行っておく必要があります。

2)実施者になりうる者が管理監督者である

ストレスチェックの実施者になれるのは、「解雇、昇進または異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にない者」です。

私がストレスチェック実施者養成講習の講師として講演を行っていると、受講生の中には、看護師長さん等が来られているのですが、受講後に実施者としての資格を持つことができても、その方が人事権を及ぼす可能性のある職場で実施者としてストレスチェックに従事することはできませんので、注意が必要です。

ストレスチェック実施者選定のポイント

1)どこまで委託するのか

まずは、社内資源を活用できる範囲はどこまでで、どこから外部に委託するのかを検討しましょう。その際は、ぜひ次にあげる委託検討項目を参考にしてください。

ⅰ)実施者

医師・保健師・一定の講習を受けた看護師・精神保健福祉士が実施者となることができます。こちらに従事する方々の経験などを確認しておくとよいでしょう。

ⅱ)面接指導

よく、病院などで病院長が面接指導の実施者となっているところがあり、従業員が病院長では抵抗があると面接指導を受けないという事例を聴くことがあります。

ストレスチェックの実施者に人事権のある方は従事することはできませんが、面接指導でしたら人事権があっても従事することが可能です。

ですが、高ストレス者が面接指導医に抵抗があり受けることができない、あるいは受けても少数でしかないということがありましたら、見直しを行い、外部委託を検討することが必要です。

ⅲ)方針や指針の策定

方針表明を行ったり、ストレスチェック実施計画を策定したり、ストレスチェック制度実施規定を作成するなどの業務を、社内に詳しい方が入ればそのリソースを使用しますし、難しいようでしたら外部委託を検討するとよいでしょう。

その企業の社労士の方に相談するなどして策定していくのがよいと思いますので、委託する場合、どこまでできてどこから委託をするのかについて、相談するのがよいと思います。

ⅳ)実施実務従事者

ストレスチェック質問票の配布、回収、結果通知、産業医面談の手続き業務など、実施実務従事者が行う業務は業務量としては多いです。

社内で管理監督者ではない立場の人事の方が実施するのか、業務量的に外注するのかについて、社内で確認するとよいでしょう。

ⅴ)情報管理・保管

ストレスチェックの結果を事業場で管理・保管するということも可能ではありますが、保管場所や本人が企業側にストレスチェックの結果を開示するか否かの問題もあり、個人情報の取扱いが難しいので、外部機関のキャビネット、サーバー内に保管を委託するという方法もあります。

2)予算はどの程度か

1)の委託項目を鑑み、外部に委託しないとできない部分、これくらいなら社内でやろうかなど、予算と相談して決めるとよいでしょう。

ストレスチェックを委託する際の注意点

最後に、ストレスチェックの実施を外部委託する際の注意点です。

1)どこまでサポートしてくれるのか

よく、全てサポートしてくれると思っていたら、最後の産業医による面接指導のサポートがなく、高ストレス者が出た後で、慌てて面接実施者を探すなんてことがあります。

費用に関しても、見た目は安かったけれども、高ストレス者の面談が予想以上に多く出て、予算内で収まらなかったというケースもあります。

自社でできない部分を事前に洗い出し、それを全て委託した場合の金額を考えてから委託するとよいでしょう。

2)実施体制はどうなっているのか

ストレスチェック実施者である産業医、保健師等とはスムースに連絡を取ることができる体制になっているのかもポイントです。

せっかくストレスチェックを行ったのに、思ったような成果がでなかった、事業場の担当者の業務量が増大してしまった、などとならないためにも、事前に委託先と次のようなことを確認しておくことも大切です。

・高ストレス者で面接指導を申し出なかった者に対するフォローはしてくれるのか。

・集団分析までしっかりと行ってくれるのか。

・その後の職場環境改善は行ってくれるのか。

・セキュリティはどうなっているのか。

・サーバーで管理している場合のバックアップ体制など。

さいごに

外部委託する際、コストは気になるところではありますが、いちばん安いからよいというものではなく、自分たちの事業場にあった、必要なものがそろっているところに委託したいものですよね。

NPO法人CNSネットワーク協議会では、高ストレス者の産業医面談の医師の紹介も行っています。

もし実施者・面接指導実施者が見つからないといった場合は、お気軽にお声掛けくださいね。

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後藤美穂

看護師 保健師

NPO法人CNSネットワーク協議会/ほっといい場所ひだまり 代表理事

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