2016年に政府が「働き方改革」と銘打ってから現在に至るまで各企業が様々な観点から働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
しかし、目先の費用や手間が気にかかってなかなか変化を起こせていなかったり、思ったように浸透しなかったり、成果が出なかったり…と悩んでいる企業も多くあるのではないでしょうか?
そこで今回は、中小企業を中心に手軽に実践できるユニークな社内制度の事例をご紹介します。
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表彰制度の導入
社員全体の前で自分の仕事ぶりを称えられることは、新人社員にもベテラン社員にとっても非常に嬉しいことであるはずです。
また、表彰がきっかけで、他の社員がどんなことをやっているのかということを知るようにもなります。
些細なことからでも、ぜひ取り入れてみてはどうでしょうか?
ユニークな事例①
- 大失敗賞(太陽パーツ株式会社)
仕事で大きな失敗をしてしまった社員を表彰するユニークな制度です。
「中小企業は、新しいことにどんどんチャレンジしていかないと生き残れない」
そう思った社長が、社員に「失敗を恐れずチャレンジしていってほしい」との願いを込めて、この制度を作りました。
ただ叱るのではなくあえて表彰することで、大きな失敗を成長の原動力に変えていくことができたそうです。
現幹部は、全員この賞を受賞したことがあるということからも、この賞が大きな意味を持っていることがわかります。
この他にも、社員の積極性をアップさせるために加点主義に基づいて「いいところ大賞」「縁の下の力持ち賞」などたくさんのユニークな評価制度を設けています。
日頃の労働環境の改善
一般的に、人は人生の2〜3割を「仕事」に費やしていると言われています。
その2〜3割をほんのちょっとの工夫で今より快適で、生き生きとしたものにすることができるのであれば、やらない手はないのでは?
ユニークな事例②
- パワーナップ制度(株式会社OKUTA)
この会社では、昼食休憩以外の午後の時間に15〜20分程度仮眠をとることが認められています。
眠くなってもなかなか人目を気にして眠れず、かえって効率が落ちてしまっている、ということは、誰しもが抱える悩みだと思います。
睡眠欲に抗うのではなく、受け入れることで気持ちの面でも余裕が生まれそうですね。
また、仮眠に入る前にコーヒーなどのカフェインを摂取すると、ちょうど15〜20分後にカフェインが効いてきて、すっきりと目覚めることができるのだとか。
ユニークな事例③
- ウォーキングミーティング(株式会社ぐるなび)
会議室で面と向かってプレゼンをするのではなく、並んで歩きながら話すことで同じ目線で、同じ立場として会話することをねらいとしています。
外の空気を吸いながら、いつもと違う空間に身を置くことで新しい発見もありそうです。
適度な運動にもなり、たくさんの効果が期待できます。
ユニークな事例④
- 社内清掃(楽天株式会社)
楽天では創業以来週に1度、社員全員がデスク周辺を清掃することを続けています。
身の回りを綺麗に保つことで頭も心も整理されることはもちろんですが、清掃ひとつとっても誰かがやってくれることを当たり前とせず、常に会社で行っていること全てに当事者意識を持ち続けていくというねらいがあるようです。
会社の規模が大きい楽天でも、会社全体を一つのチームとしてチームワークを高めていくための工夫は惜しまないということがよく伝わります。
社員の成長のきっかけをつくる
ついつい、業績や数字に表れる利益にとらわれがちですが、社員が各々の目標や理想を持つことが会社としての成長にもつながるのではないでしょうか。
日常的な業務以外の場面で、自分をみつめる機会を設けることでモチベーションアップにつながります。
ユニークな事例⑤
- 新入社員による読書感想文(株式会社河合電器製作所)
この会社では、入社3年目までの社員に月1回の読書を義務付け、読書感想文を書くことになっています。
書いたものは、社員全員が閲覧できるように共有されます。
社員の「読む力」「書く力」を鍛えることによって、お客様のニーズを正確に把握し、適切な提案ができるようになってほしいということで設けられたそうです。
仕事に忙殺され、なかなか読書の時間がとれない社員も多いと思います。
すぐさま業務での変化が見られないかもしれませんが、一人一人の日頃の積み重ねが、会社としての成長を支えていくのではないでしょうか。
さいごに
以上、働きやすい職場づくりを実現する3つの柱に沿ってユニークな事例を5つ紹介致しました。
莫大な費用をかけずとも、すぐにやれることがきっとあるはずです。
いろんな事例を取り入れてみて、ぜひ企業にあったものを探してみてください。
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