【ドコモ・ヘルスケア】「健康でありたい」という社員の気持ちが出発点

「まずは自分が健康になる」を行動指針にかかげ、「健康経営優良法人2018(ホワイト500)」に認定されるなど、健康経営に積極的に取り組むドコモ・ヘルスケアさん。

自社での取り組みはもちろん、ドコモグループ全体で健康経営をいかに進められているかなどについて、ドコモ・ヘルスケア株式会社 代表取締役社長の和泉正幸さんにお話をうかがいました。


ドコモ・ヘルスケア株式会社 代表取締役社長 和泉正幸さん

健康経営の原点

ーー健康経営への取り組みの原点から教えていただけますか?

「健康経営への取り組みの原点は、健康から出発したというよりは、『社員一人ひとりが生き生きと働ける』『活気のある会社の風土をずっと続けたい』という思いから始まりました。

小さなことかもしれませんが、『今日はちょっと体が軽いな』と一人ひとりが感じられている状態というのが、職場の活気に繫がっていると思っています。病気をしていないから健康という状態では必ずしもなくて、例えば、毎朝の目覚めが良くて体も軽い状態が活力のベースにもなっていると思っているんですね。

また、私自身の信念として、『仕事人間になるな』というものがあります。仕事は仕事で集中してやってほしいですが、プライベートの時間も充実させてほしいなと。プライベートが充実して、息抜きをする時間があって初めて人間としての幅も広がるし、仕事の密度もより高まってくるんだろうなと。」

ーーなるほど。ありがとうございます。実際に健康経営への取り組みはどのように進められたのですか?

「社内で『健康経営宣言』というのを出したのですが、こちらから指示して作らせたわけではなく、ボランティア的に手を挙げた社員のメンバーでプロジェクトチームができ、まずそこで健康経営宣言を作ったところから始まっているんですね。

ですから、上から『健康になりなさい』ではなく、『健康でありたい』という社員の気持ちが出発点なので、みんな非常にポジティブに捉えてくれているのではないかなと思います。」

>>ドコモ・ヘルスケア様の『健康経営宣言』はこちら

従業員の声をすくい上げるには?

ーー従業員の声にはどのように耳を傾けているのでしょうか?

「従業員が50人ほどなので、ある程度それぞれの状況や課題がわかるんですよね。たとえば、誰が何歳くらいのお子さんをお持ちでとか、ご主人も働いているとかあるいは奥さんも働いているとか。だから、こちらから聞きに行ってますね。聞いた声をもとに改善して、しばらくしてまた聞きに行ってみる。その繰り返しですね。」

「ですから、従業員の声をすくい上げるために、組織的に特別なことをやっているわけではないんですね。もちろん、プライバシーへの配慮が必要な時には個別に面談の形をとりますが、それ以外はわりとオープンに日常会話の延長で話しかけるくらいの感覚でやっていますね。」

ーー上司や経営者がそういった姿勢だと、従業員も働きやすいでしょうね。

「そうですね。この規模の会社だと、一人ひとりのやる気が会社全体に影響することって大きいじゃないですか。仮に、50人の会社で5人が「今日は元気でないね」と言ったら1割の従業員の力が落ちるんですよ、単純計算ではありますが。」

「会社の生産性という側面からも、従業員のみなさんが頑張ってもらえる状態にすることが自分の仕事と思っています。なので、従業員みんなに助けてもらっているという感覚ですよね。笑」

グループ全体での健康経営の取り組み

ーーウォーキングの取り組みについてお聞かせください。

「はい。docomoグループ全体を巻き込んだイベントで、今年度は2万人を超える人が参加するところまできてきました。イベントを始めた当初は数千人という規模だったので少しずつ浸透している印象です。

『健康になるために歩きなさい』だと、『会社に言われなくても…』とか『余計なお世話だよ』といった空気にもなりかねませんよね。ですので『楽しく健康に取り組む』を強調していることもあり、年々参加する方が増えてきています。」

「例えば、『組織対抗戦で勝ったチームには、docomoのdポイントをあげますよ』とか。dポイントは現金同様に使えるので、打ち上げをしてくれたりするんですね。そういった反応を見ながら、『こんなふうに楽しみながらみなさんやっていますよ』とグループ全体に広めながら、最初の2年3年やってきました。」

ーー参加された方からの声やイベントをやってみてのどんな気付きがありましたか?

「参加した皆さんのアンケートには、『前よりも歩くことを意識するようになった』とか、『健康に気を配るようになった』という前向きな意見が多いです。

ただ、それ以上にすごいなと思ったのは、『組織の一体感を感じた』とか、『社内のコミュニケーションが前よりも活性化した』という意見も多かったんですよ。

日々の業務とはまた異なる、このイベントから生み出される一体感は、健康経営への取り組みへの理解を促す上でも、これからも大切にしていきたいと思っています。」

ーーグループ全体に取り組みが広がるためにも全国のマネージャー層との連携も不可欠ですよね。

「そうですね。東京の感覚だけで発想していると、駅までの移動などで歩くのが当たり前と思うかもしれません。でも、東京を一歩離れると、『移動はすべて車』という地域のほうが多い。歩くことに興味のない人だって少なくないんですよね。

ですから、チームで楽しむとか、コミュニケーションの活性化を通じて普段の仕事にも良い効果がありますよ、と。そういった価値もマネージメント層にはしっかり伝えています。

一度参加してもらえたら、こっちのものです。笑

『参加してよかったな』と思ってもらえれば次に繋がりますし、これから参加してくれる人の後押しにも繋がるのかなと考えています。」

健康経営の取り組みの進め方

ーー健康経営の施策のなかで、健康知識の向上や睡眠への取り組みはどのように取り組んでおられるのでしょうか?

「さきほどの健康経営宣言を作ったときのプロジェクトメンバーが中心になって、まず働いている人たちにアンケートを取ったんです。『朝ごはんはちゃんと食べていますか』とか『睡眠で疲れはとれていますか』など、生活習慣に関するアンケートですね。

そのなかで、朝ごはんを抜いている人が意外といる、あるいは睡眠不足の人が多いといった課題を見つけて、それに対して何ができるのかを探っていくやり方ですね。

特に「睡眠」という課題を強く感じたので、健康セミナーとしても最初に取り上げました。専門の先生を招いて話を聞いて、それを実践していこうという感じで始まりました。生活習慣が見えると、課題が浮き彫りになるという、そういうプロセスなんですね。

ーーなるほど。ウェアラブルデバイスを従業員の方に配布されたりというお話も聞いたのですが……

「あ、これですね。一応、全社員につけてもらっているんですよ。私は毎日、というか寝る時もつけているんです。」

ーー寝るときもですか!?

「はい。笑 これで毎日の歩数、それから睡眠の状態が可視化できるんですね。そこを見ることで、自分自身の行動を振り返るきっかけになってもらいたいと思いまして。健康って知識も大事ですが、まずは今の自分を客観的に認識することが大切で。

この商品で見えた自分の行動と、セミナーなどで得た知識を組み合わせることで、「自分が次にどうすればいいか」というところに繋げていけるようになるんですね。」

ご自身の健康において気をつけていること

ーーご自身のことで、健康面で気をつけていることはありますか?

「私はですね、ストイックに頑張るというのは得意じゃないんですよ。いかにして楽に健康になれるか…笑」

ーーそれは聞きたいですね。笑

『自分の生活スタイルに取り込めるのって何だろうな』というところから考えています。運動やジム通いの時間も普段は作らないものですし、ましてやジョギングというのもなかなかできないので。笑」

「最終的に、日常生活の中でどれだけ歩けるかというところをベースにすることにしています。ウェアラブルデバイスで自然と毎日の記録も見えてくるので、たとえば、打ち合わせの場所までタクシーを使わず電車で行けば、3000歩増えるな、とかやってます。

歩くときも、ただ歩くのではなくて、リズムよく運動になるような感じでちょっと早足で歩くとかね。そのくらいなら私でも続けられる。笑」

ーー無理なく日常に取り入れられるか。すごく重要なポイントですよね、ありがとうございます。

健康経営に興味のある中小企業に伝えたいこと

ーーこれから健康経営に取り組んでいく中小企業に対して、「ここを真似してほしい」なんてことがあればお伺いしたいです。

「そうですね。私たちの会社の場合は、チームでやっていることも多いんですけれども、チームの中でも一人ひとりが責任をもって『自分はこれをやっていくんだ』『それをいつまでに持ち寄ってこうするんだ』という意識がしっかり持てる環境を保てると良いですね。そうすると、その日一日の作業を家でやっていようが会社でやっていようがいいんですよね。

普段の仕事のスタイル、責任の持ち方・持たせ方といったところも踏まえて、どういう形で取り組んでいくのが良いのか。

もし、わりと緊密に上司と連携を取りながらやっているのであれば、常に通信あるいはPCを介してコミュニケーションがとれて、あたかも隣に座っているかのような環境でやる、そういうリモートワークの推奨の仕方というのもあるでしょうし。

仕事の中身を分解していくと言うんですかね、働き方や仕事のスタイルを分解していくという作業が一段と必要なのかなとは思います。」

「何かのツールを入れたからできる、というわけではないと思いますし、逆に『今日は会社に来ないで家でやりなさい』と言われると逆に辛くなったりする部下の方も出てくると思うんですよね。

会社が本気で進めたいと思ったときには、上司が率先して健康経営なり在宅勤務をしてみるとかね、そういうところも大切なんだろうなと思いますね。」

ーーたしかに、部下に号令だけ掛けていても、なかなか浸透しないでしょうし。

「結局、『健康経営や在宅勤務を奨励』と言いながら、部長は毎日朝から晩まで会社にいたり、健康経営を実践していないと、なかなか…笑」

今後の展望

ーー健康経営や働き方改革について、今後の展望などがあればお伺いしたいのですが。

「そうですね。健康経営であっても働き方改革であっても、うちの会社の場合は、みんなの声を拾いつつ何が最善かを意識しながら進めていますので、それが良い循環を生んでいると感じています。

自然にみんなの声が出てくる状態になっている。この循環を続けていきたいなと思っています。このサイクルが、仕事への意欲にも繫がってくるのかなとも思いますし。

『会社というのは、声を出すとちゃんと聞いてくれるんだな』という想いを持ち続けてもらいたいなと。」

ーー声を出しても上に届かない会社も少なくなさそうですしね…

「あるいは、そもそも言いづらいですということもあるかもしれませんね。どんな組織にも言いたいけど言えていないという声は、やっぱりあると思うんですよ。それでも、周りで声を出す人がいて、会社が少しずつでも変わっていくところがあると、『私もちょっと言ってみようかな』という意識が持ちやすくなりますよね。

声を出せるということが、日々の仕事でも『あ、困ったな』のときに手を挙げられる。そうすることで会社としても早く対処していけるということにもなるし、仕事の生産性に対してもすごく良い。

健康を目的としているけれども、そのプロセスが、むしろ仕事のスタイルや会社の風土を形作っているものかなと思っていますので、声を上げやすい環境はしっかりと維持したいですね。」

ーー和泉さん、今日はありがとうございました。

【お話いただいた人】

ドコモ・ヘルスケア株式会社 代表取締役社長 和泉正幸さん

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