ドイツの生産性が高いシンプルな1つの理由とは?日本との違いは?

前回は、労働生産性の具体的な計算方法などについて説明しました。

しかし、具体的にどのレベルを目指していけばいいのかということはイメージが湧きにくい部分だと思います。

そこで今回は、その生産性において、世界でも高い水準とされているドイツに注目し、その生産性の高さと秘訣を探っていきます。

【前回のコラム】

>>労働生産性とは?分析の指標・計算方法・生産性向上施策について解説

【関連記事】

>>【生産性まとめ】生産性の高い企業の特徴・国際比較・生産性を上げる施策

ドイツの平均労働時間は?

OECD(経済協力開発機構)によれば、ドイツの2015年時点での労働生産性は65.5ドルとなっており、42.1ドルの日本を55%ほど上回る結果となりました。

このような高い生産性を達成しているのは、労働時間の短さが大きいのではないかと言われています。

同じく2015年時点でのOECDによる年間平均労働時間を見ると、ドイツは1371時間であるのに対し、日本は1719時間と、大きな差があります。

労働時間が少ない理由は?

この労働時間の違いには様々な背景があるようです。

ドイツでは、1日10時間を超える労働は法律によって禁止されており、それを超えていることが発覚した場合は、長時間労働を行わせていた課の管理職にポケットマネーから罰金を払わせる、という想像を絶する徹底ぶりです。

また、日曜日や祝日に関しては労働が禁止され、土曜日に出勤する際には上司の許可が必要とされています。

有休休暇、ドイツと日本の違いとは?

有給取得率の違い

有休取得率においても、大いに違いが見られます。

ドイツ

・ほとんどが有給休暇を毎年30日間ほど与えられ、約63%が全て使い切る。(2012年時点)

・残りの37%においても、1年での有給取得率は9割に達している。(ドイツ経済研究所によるパネル調査)

日本

・毎年20日間ほど与えられ、50%ほどしか消化していない。(2017年エクスペディアによる調査)

また、ドイツでは先ほど紹介した所定の労働時間を超えた分に関しても、毎年10日間前後の代休としてリターンが与えられています。

有給休暇と病欠の区別

ドイツ

ドイツでは、有給休暇と病欠は厳密に区別されており、病気や怪我で最高6週間までは休んだ分に関しても給料が支払われることになっています。

日本

日本では、大半の企業では病気や怪我の際は90日間まで保証されていますが、有給休暇として休む社員が多く、年間与えられている2週間の有給休暇のうち半分は病気になった際のために取っておくということも慣例化しています。

ここまでご覧になり「こんなにも違うのか」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

このような違いが存在する要因は様々考えられますが、日本においても取り入れることのできるようなものを中心に、以下で見ていきましょう。

日本とドイツのビジネス文化の3つの違いとは?

①ビジネスのあり方

日本

日本は「おもてなし」「お客様は神様」の文化があることでも知られているように、金額として明確に換算されないサービスの面を重視する傾向が非常に強いです。

ドイツ

ドイツでは、売る側と買う側は対等な立場であり、サービスにおけるコストと収益性が重視されています。

②人、仕事、企業の関係性

日本

日本は、業務が各個人に結びつけられ、「担当者」という概念が根強いです。

ドイツ

ドイツでは、顧客と関係を結んでいるのはあくまでも「企業」であり、従業員個人という単位で仕事に対する責任が限定されにくくなっています。

③会社における組織構造、意思決定のプロセス

日本

日本において、伝統的に企業は縦社会とされ、トップによる意思決定、もしくは会議など集団での意思決定が基本となっています。

ドイツ

ドイツでは、個人に割り当てられた仕事に関しては、必要な決定を行う権限は個人に与えられているようです。

このことは意思決定のスピードをあげる以外にも、それぞれのモチベーションを高める、よりフラットに意見交換をする、というようなプラスの効果も生んでいると考えられます。

ドイツ的企業は学生にも人気?

また、学生の就職活動の動きを見てみると、上記のドイツのような特徴を持つ企業が学生に人気があるということもわかっています。

マイナビ大学生就職意識調査から分かる傾向を見てみましょう。

人気のある企業の特徴

・楽しく働きたい

・個人の生活と仕事を両立させたい

個人の就業観に最も近いものを選ぶ質問では、この2つが上位でそれぞれ25%を超えています。

人気のない企業の特徴

・暗い雰囲気の会社

・ノルマのきつそうな会社

・休日や休暇が取れなさそうな会社

行きたくない会社はどんな会社かを選ぶ質問では、この3つが上位でそれぞれ30%前後を占めます。

以上のことから、ワークライフバランスを重視する傾向が特に顕著に見られます。

学生にとって人気のある企業であることは、企業の明るい未来のためにも非常に重要なことだと考えられます。

さいごに

すぐに実践することのハードルはやや高いですが、会社の習慣や風土を時代に合わせ、生産性を向上させていくことは遅かれ早かれ必要不可欠になっていくことと思われます。

是非、先陣を切って取り組んでいきましょう。

【参考サイト】

>>独立行政法人 労働政策研究・研修機構

>>welove.expedia「有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017」

>>2019年卒マイナビ大学生就職意識調査

【関連記事】

>>【生産性まとめ】生産性の高い企業の特徴・国際比較・生産性を上げる施策

中村有里

(株)NOMALインターン

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