離職率の基準とは?どこからが高い?キャリアコンサルタントが解説

自社の離職率が高いのか低いのか?やはり気になりますよね。

就職活動中の学生は、就職四季報で様々な企業の情報をチェックしていますが、給与・休日と同様に重視しているのが「3年後離職率」です。

離職率が高ければいわゆるブラック企業、低ければホワイト企業と理解し「なるべく離職率が低い企業に入りたい」と考えている学生も多くいますし、大学のキャリアセンターなどでは「離職率の低い企業を選ぼう」という指導も行われています。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

離職率の高低に係る基準とその考え方についてご紹介していきます。

離職率の高い低いの基準は?

離職率の高低を考えるとき、2つの基準と指標があります。

ひとつ目は「年間離職率」です。

これは、全社員の中から1年の間に離職した人数の割合を指します。

つまり、若年層の離職だけでなく、定年退職や早期退職、諭旨退職者なども含まれますので、単年の実績数値を切り取って比較してもあまり意味はありません。

5年、10年という長期間にわたる推移やその平均値が指標となります。

もうひとつは「3年後離職率」です。

これは年度ごとに高校・大学・専門学校などを卒業し新卒入社後3年未満に離職した人数の割合です。

指標は事業規模の平均や業界平均との比較となり、100から引いた割合が定着率となります。

「離職率が高い」はどこから?

それでは、「離職率が高い」と言われる基準は具体的には何%からでしょうか?

一般的には、大卒の3年後離職率が約30%であることから、それを超えると「離職率が高い」企業であるとの認識があります。

しかし、実際の離職率は事業規模、業種、または置かれている外的要因によってかなりのレンジ差があります。

その為、一概には「何%以上が高い」とは言えないものの、規模ごと業種ごとの平均値を割り出すことで目安となる数字は出てきます。

例えば厚生労働省雇用動向調査によると、大卒3年後離職率(平成26年度入社)は以下の通りになっています。

自社の属性(規模・業種)の平均から大きく高値に逸脱しているようであれば、その要因を探す必要があるのではないかと思われます。

【事業所規模別】大卒3年後離職率(平成26年度入社)

・5人以下→59.1%

・5~29人→50.2%

・30~99人→38.8%

・100~499人→31.9%

・500~999人→29.8%

・1000人以上→24.3%

人数が増えるほど離職率が低い傾向にあります。

これは単純に分母が多い他にも、人数が多い大企業には「給与・休暇・福利厚生」などの面が充実しており、離職に繋がる理由が少ないというものがあります。

【業種別】大卒3年後離職率(平成26年度入社)

・建設業→30.5%

・製造業→27.0%

・インフラ関係→9.7%

・情報通信業→26.6%

・運輸・郵便業→26.8%

・卸売業→29.2%

・小売業→38.6%

・金融・保険業→21.8%

・宿泊・飲食業→50.2%

・生活・娯楽→46.3%

・教育・学習→45.4%

・医療・福祉→37.6%

業種間は差が大きく、大きいところで5倍以上あります。

注意点

3年後離職率は就職四季報に記載されていて、大学でも重視されている項目ですが、就活中の大学生には業種ごとの平均値という概念がありません。

30%より高いと単純に「離職率が高い企業」と判断されマイナスイメージを与えてしまう可能性もあります。

「離職率が低い」はどこまで?

では逆に「離職率が低い」と言われる基準について説明します。

前述の通り、大卒3年後離職率30%が一つの基準となっていますので、30%未満であれば離職率が低い(高くない)と考える事も出来ます。

また、事業規模や業種によっては平均値に差があるため、自社の属性の平均未満であれば離職率に問題はないと考えることが出来るでしょう。

例を挙げると、社員数50名の製造業であれば、30~99人の平均である38.8%未満、製造業の平均である27.0%未満であることが基準となります。

これらは3年後離職率、つまり「定着率が高いか低いか」という基準で考える時に使う「離職率」であり、就活中の学生をはじめ外部から判断しやすい指標でです。

もうひとつの指標である年間離職率は、1年間の総離職者数をベースとしているため、より実際の離職率に近いものとなります。

実際の離職率は低ければ低いほどよいというものではなく、リストラや早期退職制度、あるいは問題のある社員に対する退職勧奨など戦略的な人員整理を行うことによって離職率が上がることもあります。

さいごに

離職率は企業の重要な業績評価指標の一つですが、短絡的な実績を追いかけて気にしすぎるのも良くありません。

長期的な視野を持ち、業績に貢献してくれる優秀な人材が効果的に育つよう、年間離職率の推移は戦略的にコントロールしていく必要があります。

また逆に、定着率が高いことは採用・教育が適正に行われている指標でもあるので、外部から「離職率の低い企業」とみてもらえるためにも、3年後離職率は自社の属性(事業規模・業界)の平均を基準として社内制度の見直し効果的な研修の実施など、計画的な取り組みが重要です。

植前 健太郎

産業カウンセラー 国家資格キャリアコンサルタント

飲食・流通業界出身。企業・自治体・学校と幅広い領域にてキャリアサポートを行う。

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