離職率が低い会社・職場の7つの特徴とは?キャリアコンサルタントが解説

多くの企業にとって人材の課題は大きな悩みの種ではないでしょうか?

「新入社員が定着しない」「中堅社員の転職」「コア人材の引き抜き」など、人材流出リスクは勤続年数にかかわらず存在します。

流出した人材を補うために、年間を通じて採用活動を実施して社員を補充してもなかなか定着しない。

慢性的な業務過多のため残業が多く、中堅社員は転職を考えてしまう。

離職率が高い会社では、このような負のスパイラルが起こっています。

一方、離職率の低い会社は新入社員が定着しているため、適切な教育を行うことで多くのコア人材が育ちます。

人材不足に悩むことがなければ適正な業務量を適正な人材に課すことも可能で、スキル・ノウハウの蓄積が容易に進みます。

いったいこの差はどこから生じるのでしょうか?

今回は離職率が低い会社・職場の特徴を解説していきます。

離職率が低い会社・職場7つの特徴

①労働時間が適正である

適正な労働時間とは、残業や休日出勤が単純に少ないということではありません。

離職率が低い会社は、労働時間に関して以下のいずれかの特徴を持っています。

・業績は順調だが残業や休日出勤そのものが少ない

・サービス残業は悪という風潮があり、管理者から実践している

・残業の指示・報告のルールがあり、理由なく残業をさせたり、禁じたりしない

確かに、残業や休日出勤が日常的に多ければ離職へとつながるケースもありますが、職務内容、役職、業務量、報酬と労働時間のバランスによって必ずしもそうではありません。

役職や立場が上がり、責任のある業務を担当するようになれば、必然的に業務量・質ともに負担が高くなりますが、報酬ややりがいも増える為、離職へ直結する事由とは言い切れません。

また、やみくもに残業や休日出勤を制限すると、かえってサービス残業や持ち帰り業務が増えるため離職に繋がるケースもあるので要注意です。

②長期休暇を取りやすい

普段、労働時間が長く週休2日が完全に取得できていなくても、年に2回連続休暇を取得できる制度がある(実際に稼働している)会社は、離職率が低い傾向にあります。

特に小売業・宿泊・飲食業などのサービス業などは、土日祝に休むことが難しい上に有給休暇取得率も低い傾向にありますが、リフレッシュ休暇制度を取り入れることで離職率の改善に成功した事例もあります。

留意すべき点は、「制度がある」や「一部の社員が取得」だけでは何の意味がもないので、社を挙げて全社員が完全に取得できる取り組みを行っているかが重要です。

③評価制度が確立、運用されている

人事評価は、給与や賞与・昇進に繋がる重要な管理項目です。

しかし、評価基準があいまいで属人的な判断にゆだねられていては、評価が安定せず離職の原因にもつながります。

全員が納得する評価を出すのは困難ですが、下記のような制度・取り組みを導入することにより、評価者による評価のブレは大幅に解消できます。

【360度評価】

情意(行動)の評価は直属の上司だけでなく、同僚や部下からの評価を加える事で精度が上がります。

【アセスメントセンター】

外部の専門機関を利用することにより、客観的・公平な評価が期待できます。

【リアルタイム評価】

決まった時期に評価を行うのでなく、通年で実施することでよりリアルな評価が期待できます。

④管理者研修を行っている

上司と部下の関係は、業務の指示報告に係るため、職場の人間関係の中でもとりわけ重要です。

パワハラ・セクハラは離職に直結するどころか、コンプライアンス上の大きな問題にもつながりかねません。

役職者やチームをまとめる立場の社員に対して、社内外の管理者研修へ参加する事を義務化・推奨している企業が増えてきました。

研修の中期的な効果として、離職者の減少につながったという事例もあります。

⑤採用担当者のレベルが高い

採用の失敗による早期離職(ミスマッチ)を防ぐためには、採用担当者のスキルが求められます。

しかし、経験や勘に頼った採用活動は「採用する」というスキルやノウハウの蓄積にもつながらず、社としては発展しません。

特に新卒者の採用が困難な現在では、採用担当者をいかに教育していくかが課題です。

外部研修や大手ナビサイトが実施している勉強会などへ参加することで、スキルアップを目指すことも効果的な手段です。

⑥教育環境が充実している

人材育成は、企業の発展につながるだけでなく離職率対策にもなります。

特に新入社員の教育環境は、定着率にもつながる重要な管理項目です。

離職率が低い会社が導入している制度をいくつかご紹介します。

【OJT】
・メンター制度
・ブラザー制度
※社員ごとに特定の教育担当者を任命し、マンツーマンで教育に当たる制度。
【OFJT】
・集合研修
※入社時、経年時、階層別など、決まった属性ごとに集合して実施する。

⑦福利厚生制度の利用がしやすい

ライフサポートに係る法定外福利厚生制度(育児・介護など)は制度があっても利用率が低い企業が多く、特に女性の離職に直結する問題であり、逆に言えば利用率が高い企業は離職率が低い傾向にもあります。

特に育児の為の時短勤務などは、周囲の理解がなければ難しいため、キャンペーンや勉強会など社を挙げた取り組みが必要となります。

さいごに

離職率が低い会社・職場にはご紹介した通り様々な理由がありますが、どれか一つだけをクリアできたから「離職が減る」と考えるのは安易です。

「離職願望」はネガティブな要因から引き出されることが多いため、できるだけ多くの項目に対して計画的継続的にケアする必要があります。

またこれらの取り組みは、「制度があるから大丈夫」ではなく、運用された初めて効果発揮すると考えることが大切です。

植前 健太郎

産業カウンセラー 国家資格キャリアコンサルタント

飲食・流通業界出身。企業・自治体・学校と幅広い領域にてキャリアサポートを行う。

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