労働生産性を国際比較!日本はどれくらい低いのか?

前回の記事では労働生産性における日本とドイツの比較、そしてその要因について説明しました。

今回はドイツだけでなく、世界の中での日本の生産性がどのくらいであるのかを見ていきましょう。

【前回のコラム】

>>ドイツの生産性が高いシンプルな1つの理由とは?日本との違いは?

【労働生産性】日本の順位は?

まず、以下が2016年における主要先進35ヵ国で構成されるOECD(経済協力開発機構)における労働生産性の順位です。

国際比較において生産性とは、GDPを就業者数、もしくは就業者数×労働時間で割ったものが用いられます。

1位 アイルランド(168,724ドル)
2位 ルクセンブルク(144,273ドル)
3位 米国(122,986ドル)



21位 日本(81,777ドル)

【参考資料】

>>労働生産性の国際比較(2017年版)p.3 図3

日本は81.777ドルで21位となっています。

最も高い水準だったのは168,724ドルのアイルランドでした。

アイルランドは1990年代後半くらいから、主要国の中でもとりわけ低い水準での法人税率を強みとして、アメリカ企業を中心に欧州本部や本社機能を呼び込むことに成功し、このことが高水準の背景とされています。

このように、必ずしも労働生産性の上昇は自国における経済効率などの伸び自体を指しているわけではないということは注意が必要です。

アイルランドのような方策は、欧州委員会による規制により歯止めがかかり、今後これに代わる新たな工夫が必要となるのではないかとも言われています。

主要先進7カ国内での日本は?

また、主要先進7ヵ国における従業員1人あたりの労働生産性の推移を見てみましょう。

【参考資料】

>>労働生産性の国際比較(2017年版)p.5 図4

日本は、1980年代後半から1990年代前半にかけてイギリスと入れ替わりがあったことを除くと常に最下位であり、また他の先進国の間でも序列はほとんど変わっていないことが見て取れます。

時間あたりの順位は?

続いて、以下は時間あたり(1時間)の労働生産性の順位を表しています。

1位 アイルランド(95.8ドル)
2位 ルクセンブルク(95.4ドル)
3位 ノルウェー(78.7ドル)



20位 日本(46.0ドル)

 

【参考資料】

>>労働生産性の国際比較(2017年版)p.7 図8

日本は46.0ドルで20位となっています。

こちらでも最高水準だったのは95.8ドルのアイルランドでした。

先ほどの1人あたりでの労働生産性よりもこちらのランキングで高い水準を示している国に関しては、短い労働時間で効率的に成果を出していることの表れだと言えるでしょう。

産業別でみる労働生産性の推移

日本は人口減少社会に突入している以上、商品やサービスの付加価値を高めたアウトプットを増やしていくことが、現在最も建設的な方針とされています。

付加価値に関しては、産業別に見ていく必要があるので、以下に同調査における産業別の労働生産性の推移を示していきます。

ここからは、産業別に推移グラフがありますので、こちらの各ページを参照しながらお進みください。

>>労働生産性の国際比較(2017年版)

製造業(p.11 図12)

各国とも、労働生産性はゆるやかに上昇しているのがわかります。

傾きが特にゆるやかになっている国に関しては、コストを抑えるために生産工程を他国に移転するという流れの中で、国内での付加価値を高めることができていないという状況になっています。

建設業(p.12 図13)

各国とも伸び悩んでいます。

日本は、震災の復興を機に需要が増加し、回復傾向にあります。

卸小売・飲食宿泊(p.13 図14)

こちらも各国においておおむね停滞している様子があります。

世界的な不況の2009年に落ち込んだことを除き、これらの産業の推移は国内における経済の動向に左右されるものであり、国によってまちまちです。

情報通信(p.13 図15)

こちらは製造業同様に右肩上がりで推移しています。

2000年代前半において日本がやや伸び悩んでいるのは、他国と比べて就業者が増加したことが影響しているとされています。

今後も就業者の増加に起因する変動が見込まれます。

金融保険(p.14 図16)

デジタル化や分析技術の向上などにより生産性は向上しているものの、各国の規制により、全体としての各国の変動はばらつきが出ています。

不動産(p.15 図17)

大幅な技術向上は見込まれない産業ですが、国内外の投資の影響は存在しており、日本においては中国人投資家の投資の動向に伴って動いています。

教育・社会福祉(p.16 図18)

他の産業とうってかわって、公的なサービスとしての色合いが強く、価格統制などにより推移は大まかに見て一定となっています。

日本は他国と比較して特に低水準であり、民間事業の参入、生産性向上のインセンティブの希薄さが顕になっています。

娯楽・対個人(p.16 図19)

雇用の増加の一方で、付加価値を高めるなど大幅な生産性向上を実現しにくい分野でもあるため、徐々に動きが停滞しています。

農林水産業(p.17 図20)

ゆるやかな上昇を続けていることから、他の第二次、第三次産業に比べて技術の向上が生産性向上に寄与する余地が読み取れます。

さいごに

このように、労働生産性といっても各産業別で見ていくと、その産業の特性を強く受け、かなり異なっています。

ついつい競争となると、国内の競合他社との売り上げの比較で済ませてしまいますが、「労働生産性」という切り口で、他国にも目を向け、一日本の企業としてこれからどのように地位を確立していくか、ということも是非考えてみてはどうでしょうか。

中村有里

(株)NOMALインターン

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