障害者雇用、8つ助成金とは?助成金受給の流れを社労士が解説

助成金とは?

今回ご紹介する障害者雇用に関係する助成金とは、厚生労働省管轄のもので雇用保険法かかる助成金を指します。

雇用保険の適用事業所が対象になっており、雇用保険料として会社が支払ったものの一部が原資になっています。

したがって、雇用保険料を支払っている会社が対象になっているため、従業員を雇用していても雇用保険料を支払う程度までの勤務時間ではない従業員の場合は対象になりません。
※週20時間以上の勤務をする場合は雇用保険の対象になります

助成金で得たお金は使途は自由で、返済も不要です。

各助成金の要件に合うような計画を立ててハローワークや管轄機関に届出をしたのち、計画通りに実行をします。

その後、一定期間以内に支給申請の届出をしなければいけません。

また、助成金の趣旨としては、雇用を拡大したり、従業員にとって良い仕組みを会社内につくることを目指してもらいたいということから、一定期間内に解雇をしている会社は対象になりません。

そして、虚偽の申請をするなど、不正がある場合はペナルティーがありますので、十分注意が必要です。

障害者雇用に関する助成金とは?

平成30年度は、障害者等関係助成金が一部手厚くなりました。

今年度から法定雇用率が上昇したことも要因の一つでしょう。

現在公表されている障害者関連の助成金は、以下のものがあります。

・特定求職者雇用開発助成金
(特定就職困難コース)
(障害者初回雇用コース)
(発達障害者・難知性疾患患者雇用開発コース)

・トライアル雇用助成金
(障害者トライアルコース)

・障害者雇用安定助成金
(障害者職場定着支援コース)
(障害者職場適応援助コース)
(障害や傷病治療と仕事の両立支援コース)
(中小企業障害者多数雇用施設設置等コース)

・障害者作業施設設置等助成金

・障害者福祉施設設置等助成金

・障害者介助等助成金

・重度障害者等通勤対策助成金

・重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

すべての助成金が各社に必要なものではないため、助成金の内容をよく理解して利用することが必要です。

障害者に関連する助成金は、比較的金額が大きいため受給を考える企業も多いです。

一方で、平成30年になってからも不正受給によって報道で社名が公表されています。

目先の利益よりも「会社にとって事業計画の導線上に必要な行為」に助成金が紐づいていると理解しましょう。

助成金の流れ

この中から、比較的受給を検討することが多いと思われる助成金について話を進めてみましょう。

障害者雇用安定助成金

この助成金では、次の7つの決められた措置の中から実施した場合に支給されるものです。

※措置7については1~6と組み合わせて実施しなければなりません。単体での実施では不十分です。

【引用元】厚生労働省 障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)ご案内

例えば、従業員が心身の不調によって休職を余儀なくされた場合、職場復帰に必要な仕組みを設けるとします。(措置5)

復帰後に外部から職場支援員としてジョブコーチとの契約をします。(措置4)

合わせて社内でのサポートの仕方や接し方について、そのジョブコーチから講習を受けます。(措置7)

従業員の方が障害を負ったことを契機にして、社内の体制を整えるのであれば、このように、助成金を使って行うことができます。

ちなみに上記3つの措置を実施した場合の合計助成金額は、最大で192万円です。(措置7は講習に要した経費によって変動します)

計画の届出

支給までの流れは、最初の措置を開始する日の前日から起算して1ヶ月前まで計画を届出ます。

計画の届出は、会社の管轄のハローワークです。

計画には、7つの措置のうち一番最初に実施する措置についての具体的な日付の記載が必要です。

支給申請

措置実施後に一定期間を経過した場合、支給申請を行います。

支給は6カ月を1期として支給申請をします。

支給申請は、各計画期間中の最初にくる支給対象期分の賃金を支給した日の翌日から2ヶ月以内です。

あらかじめ支給申請書を用意しておくのも良いかもしれません。

助成金の使途

そして、支給決定がなされた後は助成金が振り込まれますが、冒頭にもお伝えしましたが使途は自由です。

従業員の賃金の原資に使ったり、教育や設備投資にするなど様々です。

事業計画に沿って必要なことに使うことをお勧めします。

さいごに

助成金は、要件を満たせば受給できて、その上返済不要で使途も自由というものですからとても使いやすいものです。

きちんと残業代を支払っていたり、手続をきちんとしている会社はぜひ助成金を活用してみてください。

助成金をより良いものにしていくためには、採用から教育、職場環境や働き方などをまずは考えて整理して下さい。

多くの企業は事業の方向性に合わせて整理すると思いますが、その導線上にある助成金をもらう方法が望ましいです。

受給金額に目がいって不要な制度を導入することは本末転倒です。

まずは会社の「あり方」と「方向性」を決めてから助成金の内容を検討しましょう。

脊尾 大雅

社労士

秋葉原社会保険労務士事務所 代表 >>HPはこちら

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