産業医面談の意味や5つの内容とは?面談は義務?産業保健師が解説

「産業医面談について、よく分からない」と感じている人事担当者の方は少なくないと思います。

「どんな立場の人なのだろうか」

「産業医面談で何が解決するのだろうか」

など、そんな疑問を持っている方も多いでしょう。

ここでは、「産業医面談」とはどのようなものか、産業医面談にどのような意味あるのかといった疑問に、産業保健師がお答えします。

産業医面談とは?面談は義務?

産業医は、職場で働く人たちが、健康で快適に仕事ができるように、医療面から支援する役割があります。

そして、50人以上の事業所は産業医をおくことが義務付けられています。

5つの主な産業医面談

(1)健康診断後の面談
(2)長時間労働者に対する面談
(3)ストレスチェック後の高ストレス者に対する面談
(4)休職時、休職中、休職後の復職時の面談
(5)医療相談

などがあります。

企業は、労働者が職場において健康で快適に仕事ができるよう、目的に応じて産業医面談を受けさせる必要があります。

産業医は、50人以上の事業所に選任するよう課せられた義務ですが、産業医面談自体は本人の意思を無視して義務化されているものではなく、本人同意のもと、必要がある場合に実施することが大切です。

産業医面談を活用するケース

上記の産業医面談のうち、特に実施される機会が多い面談について紹介しましょう。

(1)長時間労働者に対する面談

月の時間外・休日労働時間が100時間を超えた場合、申し出をおこなった労働者に対し、医師による面接指導を受けさせる義務があります。

「時間外労働が100時間超」とは、1日8時間勤務だとすると、9時に出勤して23時まで、毎日勤務することになります。通勤時間などを考えると、ほぼ1日の睡眠時間が5時間を切る計算となります。

睡眠時間が5時間を切ると、メンタルヘルス不調者が出る割合が増えることが知られています。

そのため、医師面談で、心と身体の健康確認をする面談が求められるのです。

他にも、月の時間外・休日労働時間が80時間を超えて、疲労の蓄積が認められたり、健康上の不安がある者に対しては、労働者の申し出により、産業医による面接指導を受けさせることが必要です。

また、産業保健師による指導も大切です。

私が、産業保健師を行っている企業では、月の時間外・休日労働時間が45時間(1日2時間程度の残業)を超えた人がいないかを常にチェックしています。

さらに、月の時間外・休日労働時間が45時間を超えた人に対しては、本人と上司に業務改善を行い、残業を減らすよう保健師から指導するようになっています。

(2)高ストレス者に対する面談

ストレスチェックを実施した結果、高ストレス者にであった人に対して、本人が産業医面談を希望した場合、産業医面談を行う必要があります。

ストレスチェック制度は、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」を目的としたものです。

事業者は、ストレスチェックを行うことをきっかけに、職場環境改善に取り組み、働きやすい環境を作るよう求められています。

ストレスチェックを実施した結果、高ストレス者と判定された人に対しては、本人にそのことを通知し、産業医面談を希望するかどうかを確認します。

産業医面談を受けるか否かは本人の自由であり、義務ではありません。

ただし、産業医面談はメンタル不調を未然に防ぐことが目的です。

高ストレス者と判定された人には、できるだけ面談をさせるようにし、それ以上、悪化させないように、産業医と一緒に対策を考えていくことが望まれます。

(3)休職時・休職中・復職時の面談

メンタル不調によって休職する場合、通常はまず本人が精神科を受診し、精神科医から「〇か月の休職を有する」といった「病気休業診断書」を出してもらう必要があります。

その後、産業医と面談をして休職という流れになります。

休職中、産業医と定期的に面談を重ね、主治医が「そろそろ復職してもよいだろう」と判断をした場合、本人の同意の下、産業保健師が仲介に入り、主治医から意見聴取をし、産業医に主治医の意見を伝えます。

さらに、本人が産業医面談を受け、「問題がない」と判断された場合に復職という流れになります。

よくあるのが、主治医である精神科医が「復職してよい」との見解を示しても、その企業のことをよく知る産業医が「もう少し時間を掛けた方がよいのではないか」と考えるなど、判断の違いが見られるケースです。

精神科医は、「図書館に毎日2時間程度行けるようになったから、もう復職して大丈夫」といったように考えますが、会社では2時間程度集中しただけで、フルタイムで働いているときと同様の仕事ができるわけではありません。

その企業をよく知る産業医が面談を行い、「今の状態であれば、今までの勤務のこの部分をこのように調整してもらえば大丈夫」といった判断、サジェッションを行うことで、スムーズな復職につなげることができます。

産業医面談を活用する上で人事が気をつけるべきこと

産業医面談は、労働者本人が希望しなければ受けさせる義務はありません。

しかし、本人が希望しないからといって面談しなくてもよいかというと、そうとも言い切れません。

長時間労働者やメンタルヘルス不調者などに対しては、産業医面談を受けさせずに何か問題が起きた場合、企業側に「安全配慮義務違反」で罰則が課されます。

そのため、人事担当者としては、産業保健師を上手く活用することがポイントになります。

産業保健師に労働者と密にコミュニケーションを取ってもらい、産業医面談が必要な人を拾い上げ、必要な面談が受けられるように対応していくことが大切です。

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看護師 保健師

NPO法人CNSネットワーク協議会/ほっといい場所ひだまり 代表理事

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