パワハラに悩んでいる場合、被害者はもちろんのこと、企業の人事担当者や、加害者とされる人も、今後の対応策を考える上で第三者に相談を希望するケースがあります。
しかし、実際に何処に何を相談したらよいのか?と悩む方も多いのではないでしょうか?
ネットで検索しても様々な情報があり、どんな相談機関にどのような特徴があるのか見えにくい一面もあります。
そこで今回は、パワハラ相談がメールや電話できる相談機関について、社労士の立場から情報をまとめてみました。
>>【社労士解説】パワハラ問題まとめ〜定義・対策・事例・相談先・訴訟〜
パワハラ相談窓口の2つの違い
相談窓口は、行政機関の運営なのか、民間の運営なのかによって大別されます。
行政機関が運営している窓口は無料であることが特徴です。
そして対応時間は原則、平日の9時~17時です。
一方、民間は、その民間運営組織と勤務先が提携していないと従業員は利用できないといった制約があります。
その代わり相談時間については融通性があります。
そしてまた、この2つ以外に社外の労働組合も相談に乗ってくれることがあります。
運営が行政か民間かで使い勝手が変わりますので、知っておくと窓口を探す際に困りません。
法的な相談?こころの相談?
法的なことを相談したいのか、それとも精神的につらくて、こころの問題として相談をしたいのかによっても窓口は変わってきます。
行政機関も民間組織も、それぞれ窓口によって、どちらか一方だけを担当しているケースが殆どですので、目的に応じて使い分ける必要があります。
特に、法的なことを相談する場合は、それまでの経緯や証拠、自分の希望等を整理して臨むことが重要です。
行政関系の相談窓口ならココ
こころの問題への相談なら
「こころの耳」という厚生労働省が運営しているサイトです。
こちらでは電話相談とメール相談を行っております。電話相談は月曜・火曜17時~22時/土日は10時~16時まで。
メールは24時間受付をしています。この他にも市町村が運営している窓口もあります。
法的な問題への相談なら
代表的な窓口を2つご紹介します。
一つは各都道府県労働局に設置されている総合労働相談コーナーです。
こちらは平時8時半から17時15分まで、電話か面談で相談に乗ってくれます。
文字通り、総合的な観点でパワハラ相談に乗ってくれます。
もう一つは、法テラス(日本司法支援センター)です。
平日の9時~21時、土曜の9時~17時まで受付。専門オペレーターが問い合わせ内容に応じて、法制度や相談機関を紹介してくれます。
法テラスでもメール受付を24時間行っています(回答には最長1週間かかるとのこと)。
上記の2つとも無料であり、企業や加害者とされる人からの相談も受け付けてくれます。
この点は嬉しいのですが、相談対応の方法が電話か面談であり、時間が限定されていることがネックにはなります。
また、相談員はパワハラにあたるかどうかの法的な判断を行うことをできない点をご理解の上で活用されることをおすすめします。
民間の相談窓口
民間組織はそれぞれが独自色を出しているので、具体的名称まで紹介しきれませんが、多くの場合、勤務先が提携していれば使えるという条件があり、実質有料のサービスです。
心の問題には特に力が入れられており、24時間の受付はもちろん、臨床心理士などの専門家を相談員として活用しているケースがほとんどです。
こころの問題への相談なら
様々な組織がEAPサービス(従業員支援プログラム)の一環として窓口を設けています。
これは福利厚生制度の一つとして勤務先企業が契約している場合に、そこの従業員が利用できるシステムです。
勤務先にこのような制度があれば利用してみる価値があると思います。
相談は電話やメール、しかも対応時間も24時間が前提のケースが目立ってきています。
一方、勤務先にこのような制度がなかった場合、一個人として利用ができる窓口は残念ながら少ないです。
そのような中でも本HPを運営している株式会社NOMALの“Reme”は個人が利用できる代表的サービスかと思われます。
無料会員も自分の悩みと似た他の人の悩みとそれに対するアドバイスを閲覧でき、さらに無料会員でも相談ができる使い勝手のよさが、他のシステムと一線を画しています。
法的な問題への相談なら
弁護士や社労士が運営しているケースが多いです。法的なことに適切なアドバイスをしてくれます。
最初の相談は無料のケースがありますが、自分の希望に沿った法的アドバイスを細かくしてくれますので、最終的には有料になります。
裁判やあっせん制度を検討している場合は、このタイプの窓口に相談することで円満解決の一助になると思われます。
なお運営時間は様々ですので、個々にご確認ください。
まとめ
こころの問題に、24時間いつでも相談に乗ってくれる窓口は、利用者にとってはうれしいシステムではないでしょうか。
困っているときにいつでも受付をしてくれる点でのレスポンス等を考えると、民間窓口が柔軟な対応をしてくれそうです。
また電話やメールも意外と使いにくいケースがあるので、今後は相談する際にLINEなどで受付をしてくれる窓口が増えると、相談者の利便性は更にアップしていくのではないでしょうか。
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