【パワハラ相談】労働局・労基署・ハローワークの活用方法とは?

「パワハラについて行政機関に相談したい」と思った場合、どこに行くのが一番よいのでしょうか?

労働行政を担当する機関は、①労働基準監督署②ハローワーク③労働局の3つがあります。

結論から言うと、パワハラ発生時の相談先は、③の労働局になります。

しかし、労基署もハローワークも対応の一環で果たせる役割がありますので、今回は行政機関の活用法をご紹介いたします。

労基署・ハローワーク・労働局の違い

労働基準監督署の場合

労働基準監督署は、労働法の根幹である「労働基準法」を主に担当しています。

労働基準法にどのようなことが書いてあるか、非常に大まかに申し上げると、以下の3つになります。

①賃金に関すること

②労働時間に関すること

③退職に関すること

このほか、労働災害が発生した場合の窓口にもなります。

パワハラは法制化されていないので、労働基準監督署はそれを直接取り締まることはできません。

ただし、パワハラに先立って、長時間労働やパワハラが原因で心疾患になり、労災請求を行う場合には相談の窓口となりえます。

ハローワークの場合

ハローワークは雇用保険を主に担当する機関です。

主に、失業した場合や育児休業で給付金を請求する場合、また会社の立場では求人を出す場合に活用されます。

パワハラ対策に関連性があるのは、パワハラを原因として退職する際の離職理由を「自己都合退職」なのか「会社都合退職」を判定するのはハローワークになります。

労働局の場合

労働局は、労働基準監督署やハローワークが直接担当しない法律や諸問題を包括的に担当する機関です。

各都道府県には1つしかなく、パワハラの相談をする場合は均等室・均等部という部門が担当になります。

連絡先を調べる場合は、東京に勤務先があれば、東京労働局に、大阪にあれば大阪労働局と入力すればヒットします。

労働局に相談する際の3つの注意点

まず、職場でのパワハラであれば相談に乗ってくれます。

男女の相談員が複数いるはずですので、同性の方が話をしやすいということであれば、その旨を伝えるとよいでしょう。

法的な対応方法のアドバイス

労働局では、相談者が選択できる法的な対応方法をアドバイスしてくれます。

パワハラの背景に労働基準法違反があると相談員が感じれば、労働基準監督署への相談を勧めますし、その際に何と言って連絡をすれば良いのかまで教えてくれます。

さらに、裁判を視野にいれた場合の助言や、あっせん制度の案内もしてくれます。

パワハラの判定はできない

一方、相談者が受けた行為が、パワハラにあたるかどうかは労働局では判定できません。

なお、相談者が受けた行為がパワハラかどうかを最終的に判断するのは民事裁判になります。

というのも、パワハラ自体が法制化されていないため、明確な法違反が指摘できないためです。

そのため、相談する側の姿勢としては、

パワハラを受けた「経緯」「背景」「内容」

を具体的に伝えることが大切になります。

自分の望みを叶えるために、どのような行動をすることがよいのかのアドバイスを求めるスタンスで臨むほうが良いです。

匿名電話は効果半減

匿名で勤務先名称を伏せて相談した場合、もちろん対応はしてくれますが、この場合の相談は一般論でしか対応ができません。

相談員は、勤務先の業種や過去に同じような相談がその会社から来ていないかなど、包括的に考えてアドバイスをしています。

中には、相談したことでいきなり会社に連絡がいくのではと心配される方もいると思います。

しかし、相談者に無断で会社に労働局から連絡をすることは、余程の緊急性がない限りあり得ませんのでご安心ください。

「相談しても役立たない」か?

行政機関への相談方法はメールやLINEが利用できませんので、電話か訪問するしかありません。

対応時間も8時半から17時15分までの平日に限定されます。

また、相談者に対して、選択できる法的手段の案内などに留まり、「行為者や会社に対して処罰をしてくれ」と依頼しても法違反がない限り、強力な指導も難しいようです。

「相談しても役に立たないのでは」、と思われるかもしれませんが決してそうではありません。そのメリットをご紹介すると、やはり民間ではなかなか得られないメリットがあります。

労働局への相談する3つのメリット

無料であること

弁護士でも社労士でも相談を受けてもらうには費用が掛かってきます。

しかし、行政機関は無料で相談に応じてくれます。

また対応期限も設定されていないので、一つの相談に対して満足するまで対応してくれます。

多数の労働諸法令に通じていること

労働諸法令は全部で53種類あります。

この膨大な数の法令を個人が把握することは現実的ではありません。

窓口の担当者がその法令担当でなくても、行政機関としての組織力が生きてきます。

パワハラの背景に法違反があれば、行政の対応が変わってくることは前述の通りです。

中立であること

行政機関の主目的は法違反があるかどうかを厳しく判定することです。

言い換えると中立的な立場で物事をみていきますので、相談者にとってみれば、思いもよらない論点や対応方法が浮かんでくることもあります。

まとめ

パワハラの背景に法違反があると行政が確信した場合は、前述の関係3機関の動きは連動してきます。

労基署は、背景に長時間労働や未払い残業代がないか、心疾患は業務上災害に該当するのではないか、

ハローワークは、退職理由が本当は会社都合になるのではないか、

そして、労働局は、指導に従わず法違反で送検した企業を公表する動きを取ります。

企業はその調査を正当な理由なく断ることができませんし、法令違反や退職理由の認定結果によっては、助成金の申請や営業の許認可にも影響を与えてくる場合もあります。

なお、企業から労働局に相談をする場合もあります。

社内でパワハラが発生した場合の処分を検討する際のポイントを相談したり、裁判回避のためのアドバイス等を求めてくる場合が該当します。

労働局への相談など敷居を高く感じるかもしれませんが、目的に応じて適切に相談すれば得られる情報も大きいはずです。

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吉村和也

社労士

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