パワハラで訴えたい!訴える先は?費用は?社労士が解説

「パワハラの被害を訴えたい!」という場合、どこに訴えて、費用はどれくらいかかるものなのでしょうか?

あまり多くの費用をかけたくないというのが本音だと思いますが、今回は無料から有料まで幅広くある訴え先をご紹介していきます。

まずは身近なところから

一番身近なところは、社内の相談窓口になります。

相談窓口がなければ、人事部やパワハラ行為を行う人物の直属上司になります。

社内ですから当然無料であり、またお互いの業務内容を分かっているので、パワハラが行われる仕事上の背景に対しても、理解が早いと思われます。

その一方で、社内であるがゆえに、事態を軽視して訴えを無視したり、あるいは不慣れなため、対応までに時間がかかるかもしれません。

特にパワハラ行為者の直属上司に相談した場合には、この手の相談を得意とする人もいれば、そうではない人もいます。

また、あくまで社内ですので、行為者に対する罰則はその企業の懲戒規程の範囲で行われること、また金銭的補償を求めることも現実的ではありません。

行政機関やそれに準ずる組織

行政機関等が相談先の一つになることはこれまでのコラムで何回かご紹介させていただきました。

行政機関は受けた相談に対して法的な対応方法も紹介をしてくれます。

典型的な例が、パワハラを理由にして退職するが、その際に金銭的補償を求めたい、といった場合の方法を助言してくれます。

どのような機関が運営しているかご紹介します。

・男女共同参画センター
・労働基準監督署

これらは無料ですし、仮にそこで対応が受けられない場合であれば、別の窓口をご紹介してくれます。

ただし、利用可能時間は概ね平日の9時から17時までになることに注意が必要です。

また、企業と話し合いの場を設けることをしてくれますが、その場に企業が参加する法的な義務はありませんので、話し合いが不調に終わることもあります。

最後の手段として

社内相談窓口や行政機関に対して相談や訴えをしても、結果に満足が出来ない場合があり、その場合は民事調停や裁判によって自分の主張を訴えることになります。

では、訴訟の費用はいくらくらいかかるかというと、弁護士にかかる費用と裁判所にかかる費用の2種類があります。

弁護士にかかる費用

自分の主張を通すためにはやはり弁護士の支援が必要です。

裁判自体に弁護士は必須ではありませんが、やはり専門家の支援がなければ円滑には進められません。

パワハラを専門に対応している弁護士は多数いますので、情報を集めること自体は容易にできるかと思われます。

ネット上はもちろん、各都道府県の弁護士会でも紹介してくれます。

費用は弁護士ごとに独自の設定をしているケースもありますが、大まかな目安は以下のような内容になっています。

相談料

時間単位で決められているケースが多く、30分で5,000円前後。

初回相談は無料としている場合もある。

着手金

訴訟を実際に起こす際に代理人となってもらうために支払う。請求する慰謝料の10%前後となるケースが多い。裁判で負けても返還されない。

報酬

判決が出た後に支払う。認定された慰謝料の15%前後。

その他

交通費や調査費用など訴訟に係る費用。

裁判所にかかる費用

裁判所には審理を進めるための手数料として、裁判で相手方に求める金額に応じた収入印紙を貼りつけることになります。一部をご紹介すると以下のようになっています。

・請求100万円まで   :その価額10万円までごとに1,000円
・100万円超500万円まで:その価額20万円までごとに1,000円
・500万円超1,000万円まで:その価額50万円までごとに2,000円
1,000万円を求めるとすると、5万円の収入印紙が必要になります。

この他にも相手方に文書を送るための費用も掛かってきます。

裁判となると、やはり一定以上に費用が掛かることは間違いありません。

勝訴できれば裁判所にかかった費用は被告側が負担することになりますが、請求する慰謝料と比較して、訴訟を起こすべきか冷静な判断が求められます。

まとめ

一口に「パワハラを訴える」、といっても複数の方法があることがお分かりいただけたかと思います。

それぞれの方法には長所がありますが、どこに訴えをしたとしても、自分の主張の全てが認められない可能性があることにご注意ください。

特に、費用をかけて訴えを起こす場合は、請求と得られた金額に乖離があることを念頭に置いておく必要があります。

その意味で、事前の情報収集が重要で、先ずは無料の相談窓口を選択し、可能性を考えることが重要です。

また企業にとってみれば、不測の裁判に備えた保険加入が必要かもしれません。

損害保険会社が出している「雇用慣行賠償責任保険」という商品があります。

こちらは雇用していた従業員から訴訟を起こされた場合の費用負担に備える商品です。

パワハラ訴訟は発生しないことが一番なのですが、企業規模を問わず、どの業種でも発生する可能性があることを考えると、保険加入も一つの手段として検討されておいた方が良さそうです。

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吉村和也

社労士

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