パワハラで訴えられそう…5つの対応策を社労士が解説

もし、あなたの言動がパワハラだと受け止められて、訴えられることが現実になったらどうしますか?

訴えられる先は会社の人事部、相談窓口かもしれませんし、ひょっとしたら弁護士をたてて民事訴訟になるのかもしれません。

どこであれ、訴えられることは心中穏やかな気持ちにはなれません。

もしも訴えられそうになったら…?何をどうすればよいのかをご紹介します。

>>【社労士解説】パワハラ問題まとめ〜定義・対策・事例・相談先・訴訟〜

パワハラで訴えられそうな時の5つの対応策

1.確認する

最初にするべきことは自分の言動のどこがパワハラと言われていて、そしてそれが何に抵触して問題になるのか、冷静に確認することです。

これが出来ていないと次に続く行動につながっていきません。

【行為の事実】

相手はあなたのどのような言動をパワハラだと言っているのでしょうか?

本人に直接確認することは、この時点では既にできない関係になっていると思いますので、自分の言動を見直して、思い当たる節を見つめてみてください。

【会社の規則】

その言動がパワハラとして会社から判定された場合、あなたに起こりうる処罰はどのようなレベルになるのか確認してください。

通常なら企業は懲戒規程を持っています。

会社の規則に沿った場合にどのような懲戒を受ける可能性があるのか?

会社は原則として就業規則に沿った対応しかできませんので確認する価値は非常に高く、精神的な準備が可能になります。

【法律】

就業規則に大きな違反がなくても安心するのはまだ早いです。

パワハラを直接規制する法律はありませんが、貴方の言動は以下の法令に抵触しているかもしれません。

・侮辱罪や暴行・傷害罪などの刑法への抵触

・民法709条による不法行為に基づく損害賠償

※なお会社に対しても民法715条を根拠に使用者責任が問われることもあります。

これらを確認した結果、自分に大きな過ちがあったと認めるのであれば、相手をそこまで追い込んだ責任をきちんと取らなければ収まらないと思われます。

2.報告する

まず、あなた単独で沈静化を図ろうとすることは得策ではありません。

訴えた社員に個別に接点をもち、沈静化を図ろうとしても手遅れ感があります。

その行為自体が新たなパワハラと言われたり、会社からその行為は証拠隠滅行為とみられる可能性もあります。

パワハラは組織の問題でもありますので、社内のしかるべき部門や人物に報告をする義務があなたにはあります。

3.証拠を集める

さて、ここからが本格的な準備に入ります。社内に報告をするにしても、業務の一環としてその言動を行っていたのであれば、以下のようなものが証拠になってきます。

言動に至った背景を客観的に説明できる資料が重要です。

【相手の勤務態度、売上達成度、業務処理スピード】

その相手には普段から勤務態度に問題があったり、営業目標や業務処理が標準よりも著しく低い場合や、成果の足を引っ張るような問題行動があれば、それはタイムカードや目標達成シートなどで確認ができ、それを正すための指導の根拠となり得ます。

【取引先からの評価】

社外の取引先は正直です。普段から部下がどのような対応を取引先にしているのか、大切な取引先からクレームは来ていませんでしたか?

これは社内でも同じです。他の部門からクレームが来ていたことはありませんか?

その確認内容によっては、業務に基づく指導とみることができます。

【メールやLINE】

どのような口調・内容で指示をだしていますか?

さすがに自分の発言を普段から録音している人はいないでしょうから、文章になっているメール等が証拠になってきます。

4.論理を固める

集めた証拠はそれ単独ではあなたの主張を固めるものにはなりません。

証拠をつなげて業務指導の一環であるという論理構成が重要です。

自分の言動を以下の指標に沿って思い出すと、どうであったのかを確認しつつ進めてください。

  • 業務上の地位、職場内の優位性を背景に大勢の前で人格を攻撃していなかったか?
  • 相手に対して身体的な攻撃をしていなかったか?
  • 執拗に、または威迫するような態度で相手を追い詰めるような行為はなかったか?
  • 過剰でも過小でもない業務を指示していたか?
  • 特定個人だけを仲間はずれにするような行為はなかったか?
  • 仕事とは関係のないプライバシーへの過剰な侵害はなかったか?

一連のコラムを併せてご覧いただくとご理解が深まるかと思われます。

5.外部にも相談する

社内のしかるべき部門に報告することを申し上げましたが、それ以外に社外に相談してアドバイスを求めることもおすすめします。

相談先は行政機関や法テラス、また弁護士が想定されますが、行政機関と法テラスは無料で相談に乗ってくれます。

外部相談をすることで

  • 相談過程で証拠と論理に説得性があるか客観的に確認でき、その結果を報告や対応に活かせる
  • もしもあなたに過酷すぎると思われる処罰が会社から下された場合、その時に慌てて自分の身を守るために相談するよりも、その前の段階で相談をしておいた方が自分の立場を守るために有益な情報を得られます。

まとめ

自分の言動がパワハラと言われることは実に不愉快なことだと思います。

しかし、それを理由にして相手に対して、報復的な言動にならないように細心の注意が必要です。

なお、証拠や論理に合理性があり、指導という背景があったとしても、暴力行為や人格を否定するような言動があれば、それは「一線を超えてしまった」と判断される可能性が高いです。

その場合は第三者を交えて、真摯に対応、一刻も早い和解になるように向けて動くことが必要です。

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吉村和也

社労士

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