【就業規則】副業の項目はどこ?副業の4つのハードルとは?社労士が紹介

ソフトバンクやリクルート等の大手企業を中心にして、副業を許可するニュースを目にすることが増えてきました。

これから中小企業の社員でも余った時間や持っている能力を活用して副業を希望するケースが出てくるかもしれません。

副業がどのように就業規則に書かれていて、またその位置づけ等をご紹介していきます。

>>副業に関する就業規則の書き方や見方とは?【社労士解説まとめ】

就業規則で副業の項目はどこにある?

企業では少しずつ副業を認める動きが出てきています。副業について就業規則のどこに記載されているかというと、「服務規律」の部分にあることが多いと思われます。

「服務規律」とは、勤務する上での心構えや、身だしなみ、ハラスメント禁止等の注意点について定められている箇所です。

後で改訂により付け足しされた場合は、最後の方に記載されていることもあります。

表現としてどのように記載されているかというと、「副業はこれを禁止する」とか「社員は職務に専念して、副業等の社外における営利活動を禁止する」等と書かれています。

記載されていない場合もあるので、その際は就業規則を管理している部門(人事部や総務部)に確認するのもよいでしょう。

なぜ副業禁止の就業規則が多いのか?

副業を禁止する就業規則が多い理由について、明確なことはわかりませんが、おそらく以下のような歴史的背景だったと思われます。

現在、就業規則の制定を定めているのは、労働基準法89条から始まる一連の条文です。

常時10名以上を雇用する場合は、就業規則を策定して労働基準監督署に届出をしなければならないことや、必ず記載しなければならないこと等が法制化されています。

では、労働基準法が制定されたのはいつからかというと、戦後間もない1947年になります。

この時に、国家公務員に対する人事規程が定められていましたが、当時の規程の中には、国家公務員に対する副業禁止が記載されていたようです。

民間企業の多くがこれをそのまま倣い、副業禁止を自社の規程に織り込み、それが現在まで残っていたと推察されます。

副業の4つのハードル

副業自体を禁止している法律はありませんので、ある意味、就業規則での副業禁止は社内ルールにすぎません。

しかし、労働基準法を始めとする他のルールによって、実際に副業をすることのハードルが高くなっていることは事実です。

どのようなハードルかというと、以下のような大きく4つ挙げられます。

労働時間の通算問題

1日の労働時間が8時間を超えた分に対しては時間外割増賃金が発生しますが、これは勤務先が異なる場合も適用されます。

すなわち、最初A社で7時間勤務してその後にB社で4時間働くと、B社は合計8時間を超えた時間から割増賃金を払う必要が出てきます。

健康管理の問題

副業をすればどうしても体力に影響が出てきます。

過労で注意散漫になり、A社かB社の勤務中に労災事故が発生した場合、責任の所在が分かりにくくなることも容易に想像できます。

それこそ過労死した場合などは実証が難しくなりそうです。

情報管理の問題

顧客情報だけでなく、仕事の進め方や、取引先などのノウハウが流する可能性もあります。

副業先が主要勤務先と同業種の場合は注意が必要ですし、場合によっては副業をしている社員がスカウトされてします可能性もあります。

その他

本来であれば厚生年金や雇用保険などの手続きがA社B社に発生します。

企業にとって事務手間が増えることは避けたい点だと思います。

すでに国家公務員はOKになっている

勤務外の時間は社員が自由に利用するべきものなので、副業を禁止している就業規則は無効であるとの判例もあります。

また現在、国家公務員の副業は一定の条件を満たせば可能になっています。

最近、厚生労働省から発表されているモデル就業規則にも、副業を企業が認める場合の条文例が記載されている点は非常に興味深いところです。

就業規則に副業禁止を規定化することは問題ありません。

しかし、副業禁止を記載したからと言って完全に禁止でき、違反者に懲戒をできるかといえば、ケースバイケースになりそうです。

実際、副業を理由に懲戒解雇した裁判でも、解雇が無効となった場合と有効になった場合があります。

副業のメリットとデメリット

異なる組織で仕事をすることは従業員にとって新たな刺激になり、現在の勤務先でのモチベーションも上がるかもしれません。

何よりも収入源が増えることについては誰にとっても嬉しい話です。

一方、デメリットはその裏返しになるかもしれません。

副業先で受けたストレスが本業に影響したり、収入源が増えることで社員が主要勤務先への職務をないがしろにする可能性も考えられます。

まとめ

副業禁止は長らく続いていた労働慣行の一種かもしれません。

既に主要勤務先に内緒でアルバイトや請負で仕事をしているケースは多いかと思います。

今後は、内緒で副業をしていて何か問題を社員が起こすよりは、一定条件の下に許可していく方が、総合的にみて是と判断されるケースが主流になっていくのではないでしょうか。

副業は事務所から別の事務所へ場を移動して仕事をするというイメージがありますが、情報通信機器を活用した在宅ワークも同時に導入する企業が増えると、場所と時間にとらわれない働き方が出てきています。

今後は副業の形態も大きく変わり、全面禁止は過去の慣例になりそうです。

一方で法の整備を始め、検討課題がまだまだ多いのが実態です。

特に、労働時間の短縮を進める一方で、別の組織での仕事が負担になって過労してしまうことだけは避けなければなりませんので、全ての会社で副業解禁ということも早急な気がします。

副業をどのように社内で扱うのか、その検討も社員の職場環境づくりの一つになりますので、一考するだけでも価値があると思われます。

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吉村和也

社労士

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