介護離職問題の現状・原因・対策は?助成金や制度について社労士が解説

「介護離職」とは介護と仕事の両立が図れなくなり、仕事を辞めることです。

まだまだ認知度は低いですし、若い方々には当面の間は無縁と感じるかもしれません。

しかし、会社組織で考えてみると、これまではあまり想定していなかったような離職理由が発生していることになり、既に始まっている人材不足に拍車をかける問題になるかもしれません。

今回のコラムは介護離職について考えてみます。

介護の現状と今後の見通し

急速に進む高齢化の影響で介護認定を受ける方々も増えており、平成26年の厚生労働省調査では約600万人が要介護者となっています。

このような状況を背景に、介護をする人も平成3年から比較すると2倍の700万人に増えています。

今後も介護をする人が増加することは明らかです。

また、現在の社会では共働きの夫婦も多く、また初婚年齢も上昇していることから、従来の大家族による介護が困難になってきていることが容易に想像いただけるかと思います。

介護離職の現状

介護と仕事の両立が図れなくなり、離職する人は総務省の「就業構造基本調査調査」によると年間で約10万人に達します。

これは平成24年時点の調査ですが、現在は更に増加しているかもしれません。

介護離職者の様々なデータには以下のような傾向があります。

介護離職は女性が多い

介護をする人の6割が女性になっています。

このことが背景にあり、離職者も女性が多くなっています。

男性が介護をする人になる数も増えているので、今後は介護を理由とした男性離職者も増えるかもしれません。

介護をする人は中高年

介護をする人も年齢別構成を見ると、40歳代・50歳代・60歳代が全体の8割以上を占めています。

この年齢帯は企業にとっては経験を積んだ貴重な戦力と言えます。

仕事との両立は不安が多い

介護をしている方々の不安は多岐にわたります。

子育てとは違い、終わりが見えないことや介護保険の仕組みが複雑なことなどが不安としてありますが、その多くが負担になり仕事との両立を難しくし、ついには退職に至ります。

介護休業等の制度について

育児・介護休業法により、所定の家族に介護が必要な場合は介護休業が取得できるように法で定められています。

要介護者1名につき93日の休業取得が可能になっており、現在は3回に分割することも可能になっています。

介護休業の他にも、介護短時間勤務や介護休暇も必要な人は取得できるように法制化されており、育児休業と同じく、取得したことに対するハラスメントも禁止されています。

また、介護休業をしている人に対しては、雇用保険に加入して所定の条件を満たせば、介護休業給付金を受給することが可能になっています。

介護休業中は無給になるケースがほとんどですが、介護休業給付金を受給することで一定の収入を確保できます。

助成金

介護による離職が発生しないように、国は事業主に対して助成金も用意しています。

両立支援等助成金 介護離職防止支援コース

仕事と介護の料率に関する職場環境整備の取組を行い、「介護プラン」を作成し、介護休業の取得・職場復帰または働きながら介護を行うための制度を円滑利用できるような取組を行った事業主に最大で57万円を助成します(平成30年3月時点)。

詳細な条件はこちらもご確認ください。

トモニンマーク

こちらのマークは、企業が介護離職を未然に防止するため、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進に取り組むことを示すシンボルマークです。

仕事と介護を両立しやすい職場環境の取組への関心及び認知度を高め、介護離職を防止するための取組に向けた社会的気運の醸成を図るために制作されています。

厚生労働省のHPに利用規程やダウンロード方法が記載されています。

まとめ

高齢化が進む以上、これから介護離職は大きくクローズアップされそうです。

現在、女性の介護離職が多いですが、これは女性活躍推進にも大きく影響し、未婚男性が増えていけば男性の介護離職も大きく増加していきそうです。

介護をする人に対して、育児・介護休業法よりも優遇する規程を定めている大手企業も出てきており、既に始まっている人材不足への対応策として見ることが出来ます。

介護離職を防止するためには、少なくとも法で定める休業制度の周知や、取得しやすい職場環境づくりがどの企業にとってもますます重要になっていくものと思われます。

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吉村和也

社労士

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