山口達也さんの騒動から学ぶ、社員の不祥事対応とは?社労士が解説

ジャニーズ事務所の山口達也さんによるの不祥事について様々なニュースが飛び交っています。

詳細なことはわかりませんが、アルコールが一因となっているような報道もあります。

芸能界の場合は、一般企業における会社と社員の雇用関係とは異なるでしょうが、仮に、今回のようなことを社員が社外で起こした場合、どのように対応するべきなのか考えてみました。

不祥事に対する会社への責任は?

社員が不祥事を起こした場合に、会社は責任を負うのでしょうか?

特にアルコールが絡んでくると、大きな事件を起こす可能性があります。

ケースバイケースですので一概には言えませんが、以下のような整理です。

業務中の不祥事は会社に使用者責任が発生する可能性が高い

例:社有車で業務先に向かう最中の事故(二日酔い運転や煽り運転)、社内外での暴力事件や窃盗、ハラスメント行為etc

業務外の不祥事は使用者責任が発生しない可能性あり

例:個人所有の車での事故(飲酒運転や危険運転)、社外での暴力や窃盗痴漢や盗撮行為etc

会社に責任はなくてもイメージは…

概ね、個人的な時間や活動の最中で起こした不祥事であれば、会社に責任は及ばないとお考えいただいてよろしいかと思います。

しかしながら、世間からのイメージが大きく損なわれることは事実です。

社員が社外で不祥事を行った場合の株式会社トライベック・ブランド戦略研究所がある調査をおこなっていました。

2010年の調査ですが、社員の不祥事に対しては、「個人の問題ではあるが、所属する組織のイメージが悪化することはさけられない」、とのアンケート結果がトップになっており、この感覚は今でも変わらないかと思います。

不祥事を起こした社員はどうなる?

業務を離れた時間、場所で社員が不祥事を起こした場合、その社員の扱いはどうすればよいのでしょうか?

もちろん、不祥事の程度によることはすぐにお分かりいただけるかと思いますが、不祥事を起こしたからといって、即時に懲戒解雇は出来ません。

労働契約法16条では、次のように定められています。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする。解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする。」

不祥事の内容や、法令に抵触しているか、また会社に対する損害の程度等をしっかりと見極めて進める必要があります。

では懲戒解雇に至らなくても、それ以外の制裁(例えば減給や出勤停止等)を科すことはどうでしょうか?

これもやはり懲戒解雇と同じで、その行為と不祥事の内容や損害等を天秤にかけて判断する必要があります。

視点をかえて(健康面から)

企業は社員に対して、1年に一度の定期健康診断を受診させる必要があります。

その結果に医師の所見が記載されていれば、今後の業務の与え方などについて会社は医師の意見を聞かなくてはなりません(労働安全衛生法66条)。

特に、アルコールが過剰に好きな社員は、血圧・脂質・肝機能の数値に異常が出ることがあり、これは心臓や脳血管に悪影響を与え、年月をかけて心筋梗塞や脳梗塞の病気に発展していきます。

ここに過剰なノルマや長時間労働等のストレスがかかると持病が悪化し、ある日突然、勤務中に死亡するなどということが実際にあります。

この場合、持病の悪化と業務の間に因果関係があれば、会社は社員に対する安全配慮義務違反等を問われることになります。

まとめ

社外での不祥事を起こした社員の対応は、その程度や会社が被る風評被害など判断が難しいものが少なくありません。

ただ、就業規則の服務規定に「会社の名誉・風評に損害を与えた場合は懲戒に処す」といった文言があるはずですので、そこに根拠を求め、処分と行為の均衡を保つことが重要です。

もしも迷った場合は、弁護士・社労士をはじめとする専門家や労基署等にご相談をしてみてください。

一方、健康管理については会社に一定の責任があります。

健康診断は形式的なもので終わらすことなく、医師の意見を聞き、業務の与え方まで留意するようにする必要があります。

人材採用・育成・組織強化ガイドブックを無料進呈中

【中小企業の経営者・人事担当者向け】優秀な人材の採用、組織に定着する社員の育成に必要な基礎知識を無料で公開中。

「知名度がなくても、採用は成功できる」をキーワードに実践してきた、約300社での人事コンサルティングでのノウハウを1つの小冊子にまとめました。(全59ページ)

>>詳しい内容・無料ダウンロードはこちら

吉村和也

社労士

吉村社会保険労務士事務所 HPはこちら

Menu