元祖働き方改革!ユニークな先行事例2選を社労士がご紹介

「働き方改革」というフレーズが知られるようになってから早くも1年以上が経過していると思います。

政府の肝いり政策なのですが、どうも上から目線や、裏に何か我々が知らされていない妙なことが仕組まれているのではないか不安を感じる場合もあるかもしれません。

しかし「働き方改革」という言葉が出るよりも前から取組をしている企業があります。

「働き方改革」が認知されてきた今だからこそ、原点に立ち返り、このフレーズが出るよりも前に取組をしている企業。

今回は、ソフトウェア開発の「サイボウズ」と総合商社の「伊藤忠商事」の事例をご紹介させていただきます。

両社の取組活動は既に様々な媒体で紹介されていますので、ご存知の方も多いかと思いますが、両社の取組姿勢には新鮮で強い説得力があります。

>>働き方改革まとめ!概要・メリットデメリット・事例【中小企業向け社労士解説】

「働き方改革」の理念

最初に「働き方改革」の理念確認です。抜粋になりますが、以下がその内容です。

「働き方は暮らし方そのものであり、日本の企業文化やライフスタイル、働くことに対する価値観を変えていき、多様で柔軟な働き方が選択できる社会を追求していくこと」

この理念自体には賛同される方々が多いと思うのですが、遂行にあたっていろいろな思惑や、また強引な残業禁止女性管理職登用の数合わせ等も入交ってきて、理念がわかりにくくなり、混乱しているのが現状ではないでしょうか。

サイボウズ 「働き方改革 たのしくないのはなぜだろう。」

上記の「働き方改革 たのしくないのはなぜだろう。」の表題はサイボウスのHPからお借りしました。

アリとキリギリスを主人公にした動画も掲載されており、思わず読み込んでしまう秀逸なページです。

さて、サイボウズは2005年に離職率が28%と過去最高になった時期がありました。

28%の離職率は相当なものであり、その後の舵取りを誤れば、会社が傾く可能性すらあったと思います。

しかし、ここからがサイボウズの凄いところです。

社員の多様性を認め、100人いれば100人の働き方があると社長の青野慶久氏は考え、実際に9通りの人事制度を導入し、勤務時間や場所に大きな柔軟性を持たせています。

そして社員が働きやすい環境を順次整備していき、見事に成長を続けています。

一方で、「多様性を認めると、組織としてのまとまりがなくなるのではないでしょうか?」という疑問も当然出てくると思います。

実際にサイボウズに対して学生からもこの質問がありました。これに対して社長の青野氏は以下のように回答されています。

・多様なだけだと、ただのカオスになってしまう。多様性がある組織を作ったときに一番大事なのは、「みんなが共感するビジョンがあること」なんです。
・強いビジョンがあれば、人が多様であっても、いろんな役割を果たしていくことができる。みんなに共感してもらえる柱となるようなビジョンを、いかにして作り、持ち続けるのか。基本的には、それがすべて。

https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001098.htmlより抜粋)

現在、資料から読み取れるサイボウス離職率は5%未満のようで、IT業界における就職希望ランキングでは上位にランクインしています。

今後も優秀な人材を集め、そして育成していくのではないでしょうか。

また現状に満足せず、更に働きやすい環境をつくっていく取り組み姿勢もHPから読み取れます。

伊藤忠商事 「朝型勤務へのシフト」

大手総合商社の伊藤忠商事は2013年から朝方勤務制度を導入しています。

契機は東日本大地震。

お客様が大変な状況の中で、お問合せの電話をかけてくるにもかかわらず、当時導入されていたフレックスタイム制のため、午前10時以降でないと、社員となかなか連絡がとれなかったということがありました。

このことに対して、社長の岡藤正広氏は大きな疑問を感じ、夜遅くまで仕事をしている社員の健康も考え、社風をガラリと変えるために導入されています。

一部を抜粋してご紹介させていただきます。

・深夜勤務(22時から翌午前5時)の「禁止」。20時から22時の「原則禁止」
・早朝勤務(5時から8時)は深夜勤務と同じ割増賃金(時間管理対象者150%、対象外25%) ※早朝勤務に割増をつけることで朝型へシフトさせています。
・社内外との懇親会は午後10時まで、1次会まで(110運動)

多くの会社でも残業削減を取り入れ、管理職の評価項目に削減目標が取り入れられているかと思いますが、伊藤忠商事の場合は残業削減を目的としていないので、そのような評価は取り入れていませんでした。

目的としていたのはお客様の利便向上社員の健康(※)が主目的でした。

※社員の健康:伊藤忠商事は社員の健康管理を経営課題として積極的に取り組む「健康経営銘柄」に指定されています。

さらに、この制度を導入してから、当初は目的としていなかった残業削減にも効果が出ていると公表されています。

https://www.itochu.co.jp/ja/csr/employee/safety/working_style/index.html

世界を相手にビジネス展開している伊藤忠商事にとって「人材」は最大の経営資源です、とHPを通じて社外にも公表しています。

また、そこには「多様な人材がグローバルに活躍できる体制づくりに取り組みます」とも記載されています。

まとめ

サイボウズが取組を始めたのは離職率が過去最高を記録した2005年から。

そして伊藤忠商事は東日本大震災を契機とし導入は2013年10月からです。

共に「働き方改革」というフレーズが出てくる前から、多様性を認めて働きやすい環境を作りの取組を開始しています。

両社とも大企業ですので、資金等に余裕がなければ真似できない施策もあります。

しかし、両社に共通している「多様性」を積極的に認めることは、その程度に大小あっても誰もができることではないでしょうか。

「多様性」を認めると、自分の価値観にも相手の価値観にも、新しいものが加わる可能性があり、お互いに相乗効果を生み出す可能性があると考えられます。

政府が旗を振るからとか、上司の指示だからという「やらされ感」で動くよりも、自分目線で自分らしく暮らしていくための改革を独自に積み上げていくことがはるかに楽しくて効果があるように思います。

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吉村和也

社労士

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