【ストレスチェック】実施者の資格、要件、役割とは?保健師が解説

「ストレスチェック実施者」とは、どのような役割をする人なのでしょうか?

ストレスチェックについて調べたり、実施にむけて準備を進めていくと、必ず目にするのが「ストレスチェック実施者」という言葉です。

誰が実施者になるの?

資格は必要?

どのような講義を受けるの?

など、今回は「ストレスチェック実施者」にまつわる疑問について、保健師が解説します。

>>ストレスチェックまとめ!準備から高ストレス者対応まで【産業保健師が解説】

ストレスチェックの実施者とは?

平成26年に労働安全衛生法が改訂されて、ストレスチェック実施制度が50人以上の事業場で義務づけられました。

それに伴い、ストレスチェックを実施する、「ストレスチェック実施者」というものができました。

平成27年5月1日付で、厚生労働省労働基準局長より、ストレスチェック実施者となる方が受けるべき研修の科目の範囲が明示されています。

ストレスチェック実施者は、医師、保健師、そして上記の研修を修了した看護師または精神保健福祉士がなることができます。

医師、保健師であれば特に研修を受ける必要はなく、看護師や精神保健福祉士は、5時間の研修を終えると、ストレスチェック実施者となることができます。

ストレスチェック実施者の役割は?

専門的な見地からの意見

ストレスチェックの調査票の選定ついて専門的な見地からアドバイスを行います。

基本的には、厚生労働省が推進している「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」を使用する事業場が多いです。

評価方法や選定基準についてのアドバイス

どの調査票を使用するのか、高ストレス者はどのように選定するかといった、評価方法や選定基準について、専門的な見地から意見を述べます。

高ストレス者の選定基準については、最終的には衛生委員会の調査審議を経て決定しますが、委員会に提出する資料作成などを行います。

面接指導を受ける必要があるか否かの確認

点数が一定以上の高ストレス者であれば、すべての方が医師面談の対象というわけではなく、必ず、ストレスチェック実施者が面接指導を受ける必要があるか否かの確認をしなければなりません。

また、面接指導を受ける必要があるにもかかわらず、受けない労働者に対しては、どうして受けないのかを確認したり、できるだけ受けるように勧めることも必要です。

何らかの理由があり、面接指導を受けたくないという場合でも、そのままにするのではなく、何らかのフォローを行う必要があります。

ストレスチェック実施者とのやり取り

「ストレスチェック実施者」は医師や保健師、または研修を受けた看護師や精神保健福祉士が担うものですので、社外の方に委託するケースも多いでしょう。

ですから、実際にストレスチェックの準備を社内で進めたり、かじ取りをしていく企業の人事部の方などは、ストレスチェック実施者と上手にコミュニケ―ションを取りながら、役割分担をする必要があります。

ストレスチェック実施者と人事の関係

そのポイントをお伝えする前に、まずは「ストレスチェック実施者」と人事の関係を整理しましょう。

ストレスチェックには「ストレスチェック実施者」とともに「実施実務従事者」という役割もあります。

これは、ストレスチェック実施の実務に従事する、つまり、ストレスチェックの結果を、実際に確認する人です。

実施実務従事者は、特に資格などの要件はありませんが、人事部の中でも管理監督者にあたらない人しかなれません。

管理監督者は、ストレスチェックの事前準備から労働者が調査票を記入する前の段階まで関わることができ、その後の個人情報を取り扱う可能性のある業務(調査票記入後以降)は、人事権のない実施実務従事者が行うことになります。

調査票の選定、評価方法の決定などに関して

ストレスチェックの実施前の準備については、人事権のある人事の方が主導権を握り、しっかりと進めながら、実施者に調査票選定や高ストレス者の評価方法について意見を求めていくとよいでしょう。

ストレスチェックの調査票選定や高ストレス者の評価方法に関しては、ストレスチェック実施者のアドバイスのもと、資料を作成し、衛生委員会にて調査審議をして、それに基づいた内容で実施することになります。

最終決定は事業者が行いますので、人事権のある人事の方が積極的に進めていってもらいたいところです。

高ストレス者の選定と面接指導の適否

衛生委員会で調査審議された事業場の方針にもよりますが、高ストレス者の選定に関しては、ある数値以上を高ストレス者と選定するというように自動的に行ってもよいですが、面接指導が必要か否かに関しては、ストレスチェック実施者の判断が求められます。

たとえば、高ストレス者が出た場合、その名簿を作成し、その対象者名簿に押印するなどして、実施者が面接指導が必要と判断したということが分かる記録を残す体制を取っておくことが必要となります。

面接指導の実施

高ストレス者で面接指導を受ける必要があるとストレスチェック実施者によって判断された社員は、面接指導を受けるように、ストレスチェック実施者から促されます。

しかし、そうはいっても、実際に面接指導を申し出る方はそれほど多くないといわれています。

ストレスを抱えている社員をそのままにしておくことは、本人にとっても会社にとっても決して良いことではありません。

また会社として、高ストレス者と認識しているにもかかわらず、何のケアやフォローを行わないということは、何か問題が起きた場合に安全配慮義務違反となる可能性もあります。

こういった状況をストレスチェック実施者とも共有し、実施者から高ストレス者に対して、面談などの何らかの対策をとるように伝えてもらいましょう。

専門的知見から、労働者が心の健康を保つことの大切さについて働きかけてもらうことが大切です。

さいごに

ストレスチェックは、ストレスチェック実施者や従事者以外、人事の方であっても、誰が高ストレス者かは分からない仕組みとなっています。

その分、難しい点もあるかもしれませんが、随時、ストレスチェック実施者と連携を取って、高ストレス者に対して、適切な対応ができるようにアシストしていけるとよいですね。

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後藤美穂

看護師 保健師

NPO法人CNSネットワーク協議会/ほっといい場所ひだまり 代表理事

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